Clipした日: 2024-11-25T20:00:44+09:00 Clipした記事: [組織「30人の壁」を丁寧に解体する全社合宿|matty](https://note.com/matty1135/n/n1c402af83e6a) ---- 2024年11月22日 10:44 フォローしました 11月初旬に[箱根路開雲](https://www.ichinoyu.co.jp/facilities/kaiun/)で2日間の全社合宿を行いました。合宿を行うのは、約7ヶ月ぶりです。 2024年7月末時点では18人の組織もこの4ヶ月で28人(※内定承諾者含む)まで急拡大しました。 今回は、急成長するスタートアップが組織30人の壁を目前にどのような組織課題があり、どう向き合っているかをまとめてみようと思います。 このような方々に読んでもらえたら嬉しいです。 - Resilireの組織・カルチャーに興味を持っている方(あるいは持っていない方) - アーリースタートアップで組織運営をされている方 - スタートアップの組織課題に向き合っている人事の方 ## 目次 ## シニアメンバーが集う「いぶし銀」な組織 具体的な話に入る前にそもそもResilireはどんな組織なのかを紹介したいと思います。 社内でResilireはどんな組織か、を話したことがありました。その時、出たのが「いぶし銀」な組織です。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239297-NHjxnTF4KkQUeqSELablupYA.png?width=1200) Slackでのやりとり 最初は冗談半分でしたが、調べてみると結構しっくりきます。笑 > 「いぶし銀」とは > ・一見すると華やかさに欠けて見えるが、実際はとても実力や味わい(魅力)がある人の比喩表現。 しっくりくるポイントが2つありそうです。 - Resilireのメンバーは、SaaS企業の急成長期を経験している人が多く、執行役員以上の経験者が6人、ミドルマネジメント経験者が約10人の実力があるメンバーで構成されている(※メンバー一覧は[こちら](https://recruit.resilire.jp/team)) - Resilireの事業は、製造業のサプライチェーンリスク管理という渋くて味わい深いテーマ(※サービスサイトは[こちら](https://www.resilire.jp/)) 加えて、CEOが大事にしている「顧客価値」に向き合うこと、チームで勝つことに共感して集まったメンバーが多く、内に熱い想いを持つシニアなメンバーが集まっています。 ## 組織拡大で生じる「ズレ」を未然に防ぐ では、なぜこのタイミングで合宿を行ったのか? 一般的に言われる「30人の壁」とは、組織が大きくなり、経営者が社員一人ひとりを把握するのが困難になり、結果的に意思決定スピードが鈍化したり、意思決定のズレが生じるようになると言われています。 Resilireは、「いぶし銀」なシニアメンバーが集まっているため、30人の壁は大きな問題がなく、乗り越えていけると思います。 一方で、組織が1.5倍に拡大するタイミングであり、良いメンバーが集まっているからこそ、30人のパフォーマンスが最大化されるチームにしていきたい、という想いがあります。そのためには組織拡大していく中で起こる小さな「ズレ」を未然に防いでいくことが重要です。 今回は、4つの「ズレ」にフォーカスしました。 1. **顧客理解・プロダクト理解の「ズレ」** - 組織はまだまだ小さく、属人性が高いため、各役割から見える顧客・プロダクトの理解に留まりやすいです。 - また、Resilireの事業は、エンタープライズ × マルチバーティカルSaaSのため、顧客解像度を上げる難易度も高いです。 2. **短期・中長期の目線感の「ズレ」** - スタートアップは、非常に忙しく、日々の業務に忙殺され、無意識に短期の目線に陥りがちです。 - 組織が大きくなると役割も増えますが、役割によって向き合う時間軸も異なってきます。(例えば、経営者と現場のメンバー、マーケターとインサイドセールス等) 3. **バリュー解釈の「ズレ」** - 中途採用でバックグラウンドの異なるメンバーが集まっているため、ズレがあるのは当然です。また、社歴によって企業の価値観に触れる機会や思考回数が異なるため、埋めていく必要があります。 - Resilireにも4つのバリューがあります。その中でも最重要と考える「Be Right」は、顧客価値に正しく向かう、というResilireのコアな価値観として存在しています。重要でありながら、抽象度が高く、人によって解釈のズレが起きやすいものになってしまっています。 4. **人間関系の深さの「ズレ」** - 新しいメンバーが増えるとコミュニケーションラインが増え、社員同士のコミュニケーション頻度や密度も変化していきます。 - Resilireは、パパママが多く、子供の数とパパママの数が1:1です。家庭に対して理解がある反面、業務時間外(例:夜ご飯等)でコミュニケーションを取る機会は比較的落ち着いているため、深い価値観を知る機会は限定されています。 この4つの「ズレ」は、どの組織にも起こり得ると思います。問題は、「ズレ」が生じることではなく、見過ごすことです。放置すると1、2年後に大きな「ズレ」へと変わり、不可逆な状態になります。 この「ズレ」が顕在化する前に合宿を通して組織全体で向き合う時間を作りました。 ## 当事者意識を引き出すコンテンツ設計 前章で記載した4つの「ズレ」にアプローチするため、本合宿では3つのゴールを定めました。 1. 現状の顧客・プロダクトの理解を深める 2. 自分たちが「事業・カルチャーをつくる」という当事者意識を持つ 3. メンバーの相互理解を深める 特徴的なのが、「当事者意識を持つ」というもの。全社員がゴールを達成するには、全員が能動的に取り組み、本来持つポテンシャルが引き出されることを意識しました。 具体的には、すべてのコンテンツに下記の要素を組み込んでいます。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239296-LgEdkcPVY4v8KiUrt29pSQn6.png?width=1200) 実際に用意したコンテンツは下記の4つです。  ①Resilireの未来を思考するワーク  ②実際のプロダクト・顧客データに触れるワーク  ③メンバーのWhy Resilire?を知るワーク  ④バリューをアップデートするワーク ### ①Resilireの未来を思考するワーク ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239298-KpbSyAIzGLlewFNYC98OxVhH.png?width=1200) figjam上のアウトプット 1つ目は、「Resilireのワクワクする世界!」というResilireの未来に焦点を当てたコンテンツです。 日々のタスクやプロジェクトに対応していると、どうしても短期的な(連続的な)売り上げやプロジェクトリリースに目線がいきがちです。 長期的なワクワクする未来を考えることで、ここにいるメンバー全員が圧倒的なオーナーシップを持って非連続的な成長に挑戦できる土壌をつくることを目的としています。 【メンバーの感想】 - Resilireには大いなる可能性があることを再認識する場になりました。こういうワークショップが盛り上がると言うのは、会社の可能性の証明でもあると思います。 - 日常では考えないような非連続のResilireの未来を想像できたので、Resilireの可能性や価値を改めて認識することが出来ました(通常業務の延長では時間を作れないし、発想を持ちにくい)。 - 日常では考えないようなことを考えられることで、思考が柔らかくなった感じで良かった。 ただ、意外と発表が似通っていて、もっとクレイジーな世界観が出ると良いと思った。 - とにかくワクワクできたのは良かったし、色々な未来があることも分かった。 ### ②実際のプロダクト・顧客データに触れるワーク 2つ目は、実際の顧客を想定した課題に基づき、顧客のニーズを満たす提案をするというコンテンツです。 様々な職種のメンバーと共に、実際の顧客の要望や課題を考えることで、これまでよりも顧客・プロダクトを広く・深く理解することを目的としています。 【メンバーの感想】 - 解像度が一気に上がったし、プロダクトとしての改善点も多く出たので、もっと早く改善せねばと思う機会にもなった - 実際の顧客をサンプルに作ったのが良かったです。また、普段お客さんとの接点がないメンバを中心にプロダクトを触り、CSがサポートする体制だったので、相互理解も深まりながら全員で一次情報/解像度を高めていく、という結果が結びついたと感じました。 - 入社前でプロダクトの現状が一番解像度が低かったので、そこを少し埋められた。また、プロダクト自体ではなく、顧客がどういう課題感を持っており、そのためにどういう点に留意しながら提案を進めるべきなのかというところも思考できたのがよかった。 - 総じて良かったし、絶対社員オンボーディングコンテンツにもいれた方が良いと思いました ### ③メンバーのWhy Resilire?を知るワーク ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239297-2ZvW6rwRY9cuxnGCKLoAOP7N.jpg?width=1200) グループワークの様子 3つ目は、各メンバーの仕事の価値観やResilireを通して実現したい想いを知る相互理解のコンテンツです。 これから一緒に仕事をしていく仲間のコアのモチベーションや価値観を普段よりも踏み込んで理解することで、信頼関係を構築し、よりオープンかつ活発なコミュニケーションに繋げることが目的です。 【メンバーの感想】 - 皆の考えていることや、大事にしていることを知れて、皆違うんだな、面白いなと感じた - 単純にみんなおもしろい人だった。自分が入社前で感じている/Why Resilireとして持っているものが、既存のメンバーが信じているものとずれがなくて安心した - 一緒に働くメンバの大事にしている思いを聞けて、普段の行動と結びつけて、行動の背景をイメージ出来たので非常に良かったです。 - もっといろんな人の話を聞きたいので、合宿以外でやっても良いかもと思った。 ### ④バリューをアップデートするワーク 最後は、抽象度の高いバリュー「Be Right」をAction、Mind・Stanceに整理し、新たなバリューを提案するコンテンツです。 チーム毎にValueについて意見を出し合うことで、メンバーがバリューに対する理解を深め、Resilireが大事にすべきバリュー要素を抽出することを目的としています。 【メンバーの感想】 - 「Be right」というバリュー自体個人的に好きなので、そこをより具体化していけたのはとても良かった。 - 今の価値観や職種ごとの価値観過去の会社など話し合えてよかったです。ワーディングまでは実際にやってみて難しかったので要素出しでもよかったかも? - バリューに深く向き合い、各々の捉え方をディスカッションする機会は普段あまりないので、個人的にはこのコンテンツが一番良かった。 - これから人数が増えるフェーズで考える時間が取れてよかったです。 今の組織ってこうだよね&こういうところは変えたくないよね or 伸ばしていきたいよねみたいな部分を再認識することができた。 ## 課題に向き合い、コトに向かう組織へ 今回の合宿を振り返ると、全体的な満足度、ゴール達成度も高く、組織の「ズレ」を予防する良い機会になったと思います。(KPTをして、反省もたくさん出たので、次回要改善!!) ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239296-wNCyUr41cq0RvoA5TGbJkuXm.png?width=1200) 合宿のアンケート結果 合宿後、オフィスを見渡すと部門を越えた交流が増えている印象を受けましたし、育休で参加できなかったメンバーからは「合宿の前後でお互いに言いたいことがより言えるようになり、活発な議論が増えてきている」とコメントがあり、ちょっとした変化を感じ始めています。 組織拡大で生じる「ズレ」に対して、丁寧に向き合うことで、組織を着実に良い方向へ進めていける実感が持てました。 今後、組織が50人、100人と拡大したとしても組織で課題に向き合い、コトに向かえる組織づくりを行っていきたいと思います。 ## 最後に Resilireは、全員で事業・組織を作り上げる段階の30人未満のスタートアップです。 キラキラしたスタートアップというよりは、「いぶし銀」のような地味で渋めな組織ですが、顧客価値にとことん向き合うことが好きで、チームで成果を最大化していきたい、という方にとっては、非常に刺激的かつ居心地が良い組織だと思います。 そしてResilireが実現したい世界には到達するには、まだまだやりたいことがあり、全く人が足りていません。 少しでも興味を持っていただけた方は、下記リンクをクリックしてください。カジュアルにお話ししたいです!! **\[カジュアル面談一覧\]** **\[採用ページ\]** ## おまけ おまけで合宿の雰囲気がわかる写真も載せておきます〜。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239385-qUEQaAxWgnyDruVwvP8zjsTb.png?width=1200) チームでお散歩休憩 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239411-MeQ3OpPjkXmDrBCaIAFUysil.jpg?width=1200) 休憩中に白熱する卓球 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239430-e3C2NzwmDvISjQ6MgiW1A4hY.jpg?width=1200) コンテンツを終え、晩御飯を前に喜ぶメンバー ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239449-EgQdODXnJwk7lMjFSmvpy5ZL.jpg?width=1200) お酒を飲みながらコンテンツの振り返り ![画像](https://assets.st-note.com/img/1732239297-CKm1e0569NPEVif7BuqJatpA.jpg?width=1200) 心理戦を繰り広げたカードゲーム